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#author("2024-05-01T18:30:01+09:00","default:editor","editor")
#author("2024-05-10T09:49:45+09:00","default:editor","editor")
#contents
*はじめに [#zabe5219]
RTK(リアルタイムキネマティック)は、GPSやその他の衛星測位システムを使用して、地上の位置を高精度で測定する技術です。
この方法では、基地局と移動局という2つの受信機を使用します。基地局は既知の座標に設置され、衛星からの信号に基づいて正確な位置情報を提供します。一方、移動局は測定したい位置に配置され、同じ衛星からの信号を受信します。
スカイリーはRTK技術を使った製品開発のプロジェクトに、足掛け2年ほど参加してきました。かなり気合を入れて開発しまして、手前味噌ですが、大手メーカーに遜色ないくらい、なかなかの出来栄えだと自負しております。
スカイリーはRTK技術を使ったトラッキングシステムのプロジェクトに、足掛け2年ほど参加してきました。現在、競走馬トラッキングシステムとしてJRAに導入されているものと同種の用途を目指したシステムです。かなり気合を入れて開発しまして、手前味噌ですが、大手メーカーと比べても遜色ない出来栄えだと自負しております。
ただ、残念ながら、諸事情により、本格導入には至りませんでした。
ただ、残念ながら、採用には至りませんでした。
このままお蔵入りさせるのは、あまりにも惜しい・・・
というわけでスカイリーでは、あきらめず本件商用化の道を、模索している真っ最中です。
まずは本システムの最大の特徴である、クラウド型RTKを説明します。
*クラウド型RTKとは [#y9eaf54c]
一般的なRTKシステムでは、衛星信号を使った座標演算をGNSSモジュール内部で行います。しかしその場合、演算ロジックはブラックボックとなり測位品質の向上に多大な試行錯誤が必要になります。また利用する場所や条件に依存した設定変更が煩雑になり、GNSSデバイスに対する管理コストが高くなります。
一方でクラウドRTKは、RTK演算をクラウド側の専用プログラムで実行します。そのためクラウドRTKシステムには以下のような利点があります。
+ハードウェアコストの削減:従来のRTKシステムでは、各移動局が高性能な演算能力を持つ必要がありますが、クラウド側で演算を行うことで、ユーザー側のハードウェア要件が低減されます。これにより、より低コストでRTKシステムを導入できるようになります。
+スケーラビリティ:クラウドベースの演算では、必要に応じてリソースを拡張または縮小することが容易です。多くのユーザーが同時にサービスを利用しても、クラウドサービスがリソースを適切に管理することで、一貫した性能を提供できます。
+データの一元管理と共有:データをクラウドで一元管理することで、データのバックアップ、更新、共有が容易になります。また、異なるプロジェクトや地理的な場所にあるチーム間でのデータ共有がスムーズに行えます。
+リアルタイムデータ処理と即時のフィードバック:クラウドシステムを利用することで、データをリアルタイムで処理し、ユーザーに対して即時のフィードバックを提供することが可能です。これにより、現場での迅速な意思決定や問題の解決が可能になります。
+データの再利用:RTK計算に必要なローデータをクラウド側ですべて記録できますので、後計算による検証作業が可能になります。ローデータを精密に検証することで、よりよいRTKセッティングとチューニングが可能になり、結果として測位性能のさらなる向上が期待できます。
+メンテナンスとアップデートの簡素化:ソフトウェアのアップデートやシステムのメンテナンスをクラウドで一括して行うことができるため、各ユーザーが個別にシステムの保守を行う手間が省けます。
*特徴 ~何が嬉しいか?~ [#y9eaf54c]
**移動体に対応 [#o4e11967]
移動体の高精度測位に対応しています。高速移動時の測位性能を様々な実験で検証しています。また
-オープンスカイ環境だけでなく周囲に建物がある環境への対応も行えます
-静置させての精密測位ももちろん可能です
こういった用途や利用環境の違いに対しては、RTKパラメータの細かなチューニング対応が必要です。本システムではそれらのパラメータをクラウドで一括管理してますので、センサ本体を1個1個設定変更してまわったり、ファームウェアを更新する必要はなく、用途・環境に応じて一斉に切り替えることができます。
こういった用途や利用環境の違いに対して、通常、RTKパラメータの細かなチューニング対応が必要です。本システムではそれらのパラメータをクラウドで一括管理してますので、センサ本体を1個1個設定変更してまわったり、ファームウェアを更新する必要はありません。用途・環境に応じて一斉に切り替えることができます。
**GNSSセンサのサイズ [#ba97263f]
84mm * 63mm * 16mmと非常に小型で、ざっくり名刺入れと同程度です。シャツの胸ポケットに軽く入ります。アンテナを筐体内部におさめているので突起部分が全くありません。腕に取り付けて移動する(走る)などの用途でも邪魔にならない形状・重量・サイズになっています。
84mm(H) * 63mm(W) * 16mm(H)と非常に小型で、ざっくり名刺入れと同程度です。シャツの胸ポケットに軽く入ります。アンテナを筐体内部におさめているので突起部分がありません。腕に取り付けて移動する(走る)などの用途でも邪魔にならない形状・重量・サイズになっています。
*アーキテクチャ [#fdc370be]
本件のシステムは以下のような構成を取っています。
本件のシステムは以下のような構成です。
&ref(./system.jpg,50%);
1.GNSSセンサは内蔵のGNSSモジュールで衛星を捕捉します。捕捉した衛星情報はLTEを使って、クラウド上に構築された演算システムへ送出されます。
2.クラウド上のRTK演算システムは、GNSSセンサから送信された衛星情報と、基準局から得た補正情報をもとにRTK演算を行い、演算結果として得られた座標情報を座標サーバに登録します。
3.クライアントは座標サーバに登録された座標情報を読み込むことで、GNSSセンサの現在位置をリアルタイムに地図表示します
3.表示ソフトは座標サーバに登録された座標情報を読み込むことで、GNSSセンサの現在位置をリアルタイムに地図表示します
*GNSSセンサ諸元 [#ub7e5d76]
**寸法 [#t3c003f2]
|項目|値|h
|縦|84mm|
|横|63mm|
|厚さ|16mm|
|重量|92g|
**電気特性 [#ga438d32]
|項目|値|h
|バッテリー容量|1150mA/h|
|充電時間 |約2時間|
|連続稼働時間(測位)|約4時間|
** GNSS仕様 [#a8755487]
|項目|値|h
|対応周波数|L1, L2|
|対象衛星 |GPS、ガリレオ、バイドゥ、QZS|
|最大取得衛星チャンネル数|60チャンネル|
|GNSS測位周期|10Hz|
|LNAアンテナゲイン|30 ± 2 (dB)|
** 通信仕様 [#kd4e3ea2]
|項目|値|h
|メイン回線| LTE Cat.M1|
|通信オペレータ|ドコモ、KDDI、ソフトバンクを選択可能|
|補助通信|BLE 5.0|
**その他の特徴 [#x1be3965]
-専用のBLEスイッチにて、測位動作の一斉開始、停止をコントロールできます
-BLEビーコンを設置しておくことで、ビーコン範囲内に入ったGNSSセンサを自動で起動できます
-BLEビーコンを設置しておくことで、ビーコン範囲内に入ったGNSSセンサを自動で起動できます。例えばGNSSセンサを持った対象が必ず特定の通路を通過する場合、その通路にビーコンを設置しておくことで自動的に測位を開始できます。戻り道に停止用のビーコンを設置しておくことで、自動的に動作を停止させられます。
*性能検証 [#ebb48767]
**座標精度 [#e0f6632e]
-事前に専用測定機で精密測位した座標点に対しての誤差を計算する
-独自基準局を近傍に設置、基準局との基線長は17mほど
&ref(./position.jpg,80%);
Presision...Lat±4mm、Lon±5mm~
Accuracy...Lat=+1.1cm、Lon=-1.1cm~
誤差+-1.1cmという高精度測位が得られました。
**時刻精度 [#c3358140]
-区間距離の公式ラップタイムを基準に、GNSSセンサの座標データから区間タイムを算出して比較
-GNSSセンサは約50km/hで移動
&ref(./laptime.jpg,50%);
平均誤差0.1秒の精度が得られました
**衛星補足時間 [#e0f6632e]
利用地点を中心とした衛星軌道情報を事前にGNSSに注入することで、コールドスタートから、衛星の補足、測位開始、FIXに至るまでの時間を大幅に短縮する機能を備えています。
* 募集中 [#c3358140]