RTK(リアルタイムキネマティック)は、GPSやその他の衛星測位システムを使用して、地上の位置を高精度で測定する技術です。
この方法では、基地局と移動局という2つの受信機を使用します。基地局は既知の座標に設置され、衛星からの信号に基づいて正確な位置情報を提供します。一方、移動局は測定したい位置に配置され、同じ衛星からの信号を受信します。
スカイリーはRTK技術を使った製品開発のプロジェクトに、足掛け2年ほど参加してきました。かなり気合を入れて開発しまして、手前味噌ですが、大手メーカーに遜色ないくらい、なかなかの出来栄えだと自負しております。
ただ、残念ながら、諸事情により、本格導入には至りませんでした。
このままお蔵入りさせるのは、あまりにも惜しい・・・
というわけでスカイリーでは、あきらめず本件商用化の道を、模索している真っ最中です。
まずは本システムの最大の特徴である、クラウド型RTKを説明します。
一般的なRTKシステムでは、衛星信号を使った座標演算をGNSSモジュール内部で行います。しかしその場合、演算ロジックはブラックボックとなり測位品質の向上に多大な試行錯誤が必要になります。また利用する場所や条件に依存した設定変更が煩雑になり、GNSSデバイスに対する管理コストが高くなります。
一方でクラウドRTKは、RTK演算をクラウド側の専用プログラムで実行します。そのためクラウドRTKシステムには以下のような利点があります。
移動体の高精度測位に対応しています。高速移動時の測位性能を様々な実験で検証しています。また
こういった用途や利用環境の違いに対しては、RTKパラメータの細かなチューニング対応が必要です。本システムではそれらのパラメータをクラウドで一括管理してますので、センサ本体を1個1個設定変更してまわったり、ファームウェアを更新する必要はなく、用途・環境に応じて一斉に切り替えることができます。
84mm * 63mm * 16mmと非常に小型で、ざっくり名刺入れと同程度です。シャツの胸ポケットに軽く入ります。アンテナを筐体内部におさめているので突起部分が全くありません。腕に取り付けて移動する(走る)などの用途でも邪魔にならない形状・重量・サイズになっています。
本件のシステムは以下のような構成を取っています。
1.GNSSセンサは内蔵のGNSSモジュールで衛星を捕捉します。捕捉した衛星情報はLTEを使って、クラウド上に構築された演算システムへ送出されます。
2.クラウド上のRTK演算システムは、GNSSセンサから送信された衛星情報と、基準局から得た補正情報をもとにRTK演算を行い、演算結果として得られた座標情報を座標サーバに登録します。
3.クライアントは座標サーバに登録された座標情報を読み込むことで、GNSSセンサの現在位置をリアルタイムに地図表示します
項目 | 値 |
縦 | 84mm |
横 | 63mm |
厚さ | 16mm |
重量 | 92g |
項目 | 値 |
バッテリー容量 | 1150mA/h |
充電時間 | 約2時間 |
連続稼働時間(測位) | 約4時間 |
項目 | 値 |
対応周波数 | L1, L2 |
対象衛星 | GPS、ガリレオ、バイドゥ、QZS |
最大取得衛星チャンネル数 | 60チャンネル |
GNSS測位周期 | 10Hz |
LNAアンテナゲイン | 30 ± 2 (dB) |
項目 | 値 |
メイン回線 | LTE Cat.M1 |
通信オペレータ | ドコモ、KDDI、ソフトバンクを選択可能 |
補助通信 | BLE 5.0 |
Presision...Lat±4mm、Lon±5mm
Accuracy...Lat=+1.1cm、Lon=-1.1cm
誤差+-1.1cmという高精度測位が得られました。
平均誤差0.1秒の精度が得られました