SKWAN Proは、LoRaをはじめとする、アンライセスドバンドの「低速・広域」無線ネットワーク向けに設計・開発されたプロトコルスタックです。
「スター型+1段のリピータ」という機器構成で、1無線ユニット当たり最大1600台、4無線ユニット併用で最大6400台の子機を収容し、TDMA・周波数アジリティ制御によりLPWAでは難しかった大規模・高品質ネットワークを実現します。
LoRaWANと異なりアプリケーションサーバ、ネットワークサーバは不要です。基地局(親機)側も子機と同じデバイスでネットワーク構築が可能で、100%の自営運用ができます。
SKWAN Proと主要なLPWAの比較
SKWAN Pro | LoRaWAN | Sigfox | ELTRES | LTE-M/NB-IoT | |
自営基地局 | 可 | 可 | 不可 | 不可 | 不可 |
月額通信費用 | なし | 提供形態による | 必須 | 必須 | 必須 |
システム構築コスト | 低 | 高 | 中 | 中 | 中 |
通信のカスタマイズ | 可 | 不可 | 不可 | 不可 | 不可 |
無線規格の選択・変更 | 可 | 不可 | 不可 | 不可 | 不可 |
通信速度 | 自由選択 | 中 | 低 | 低 | 高 |
規格の公開 | 〇 | 〇 | × | × | 〇 |
双方向通信 | 可 | 可 | 不可 | 不可 | 可 |
下り同報通信 | 可 | 不可 | 不可 | 不可 | 不可 |
子機はステーションが発信するビーコンに同期しタイムスロットに従って通信するためパケットロスが発生しません。また周波数をローテーションして利用する「周波数アジリティ」を備えており、混雑した帯域を避けて通信を行います。
LPWAであっても発生が避けられない電波の不感地帯の対策に、リピータによる1段の中継通信が用意されています。
1つの基地局(親機)は最大約1600台まで子機を収容可能です。この親機を必要に応じて最大4つまで束ねて運用でき、その時の収容台数は約6400台となります。親機には、基地局が発信するビーコンについてのメタ情報(=「メタビーコン」)を同報する機能があり、これを利用して子機は望みの親機を迅速に発見して接続できます。
リプライアタック抑止、メッセージ認証による改ざん検出、鍵更新といった業界標準の完全なセキュリティメカニズムを提供します。プライベートLoRaではセキュリティが考慮されていない製品が非常に多いですが、これからの時代に適切とは言えません。
量産向けの機能検証、品質保証、不具合対応、カスタマイズ等のサポートをご提供しており、商用で安心してお使いいただけます。
数年前まではセキュリティなしでの通信も許されましたが、IoTが一般化した現在では盗聴によるプライバシー侵害やリプライアタック、リレーアタックなどのリスクがあり、メーカーも製品の供給責任が問われる時代になりました。LoRa機器に付属のプライベートLoRa通信ソフトは、セキュリティの考慮がほとんどなされておらず、現在では試作・実験以外の用途で使うべきではなくなっています。
SKWAN Proは、独自規格でありながらワイヤレス機器の製品化に必要な通信セキュリティ、通信品質の担保、ファームウェアサポート、オープンで検証可能な通信仕様といった要素を備えており、PoCを終えて商用・量産の検討に移行したプロジェクトに最適なプロトコル・スタック製品となっています。
SKWAN Proで動作実績があり、標準品として推奨している無線製品は下記の通りです。
現在は多種多様な無線規格が乱立しており、どれか一つのみを選択することには髙いリスクを伴います。
その点、SKWAN Proは、無線物理層に中立なプロトコル・スタックのため、LoRa, IEEE 802.15.4k, BPSK (Sigfox), GFSK, 超狭帯域といった多様なLPWA向け物理層で動作します。
いずれの物理層にも共通の「SKコマンド」が提供されるので、いちどアプリケーションを構築すれば、物理層を変更してもアプリケーションを作り直す必要がありません。
SKWAN Pro搭載の自作基地局「SK Station」 とエンドデバイスを使って、センサネットワークを実現する方法の一例をご紹介しています。詳しくは下記記事をご参照ください。
LPWAセミナー資料 LPWA_Seminar_20181003.pdf
製品ご紹介資料 SKWANPro_202309.pdf