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#author("2022-05-27T10:40:20+09:00","","")
#contents
*アドホック通信(アドホックネットワーク)とは [#u4db5ccf]
ISMバンドの無線通信を最大限に利用して、即時的で手軽な無線通信網を構築するための技術です。アドホックネットワークにおいてネットワークは局所的であり、通信料金や加入手続きも必要なく、機器間同士が直接、自律的に通信を行います。
これによって例えばデジカメから無線でプリントアウトを行ったり、大規模な災害現場で即時的な無線通信網を構成したり、ビルの中に小型の無線機を設置して温度やセキュリティの管理を配線なしで行うなど、幅広い応用が期待できるようになります。
**「アドホック」であることの難しさ [#s1276d11]
アドホックネットワークは、その名前が示す通り、その場限りの即時的な(=アドホックな)ネットワークを構成して、端末間でのデータ通信を可能にします。一般的にインターネットへのアクセスは必ずしも保証されていません。
しかしそうなると、IP(Internet Protocol)通信にアドホックネットワークを適用する場合に以下のような難しい問題が発生します。
-偶然選択された端末のIPアドレスのユニークネスをどうやって保証するか
--「DHCPサーバが利用できずIPもサブネットも不明な2つの端末はどうやって通信するの?」問題。
-IPアドレスをユニークに割り振ったとして,端末の素性とアドレスの対応付けをどのように行うか
--「DNSが利用できない状態で相手の素性をどうやって知るの?」問題。
最も普及しているアドホック通信の代表例であるBluetoothでは、これを
-Non-IPベース
-プロファイル(端末の素性)を厳密に定義しておく
-プロファイルをその場で交換しあうBootstrapシーケンスを厳密に定める
というアプローチで解決しています。そのおかげで、現在のように、未知の端末同士が出会ってもスムーズにネットワークが形成(ペアリング)できるようになっています。
**アドホックネットワークの可能性 [#va65f4bf]
アドホックネットワークはマルチホップ通信を併用するケースが多いです。アドホックで即時的なネットワーク構築と、マルチホップによる通信範囲の拡大によって、自律的で局所的な無線網を形成します。
このため理論的には基地局設置コストを限り無くゼロに近付けることができ、従来の設備投資型通信事業モデルとは根本的に異なる無線通信サービスを提供できる可能性を秘めています。
*最後に [#k9781dea]
本文章の文責はスカイリー・ネットワークスにあります。
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