#author("2022-06-25T17:30:51+09:00","","")
#author("2022-06-25T17:31:28+09:00","","")
その2:ガイガーカウンタにZigBeeを接続する(2)

#contents

*GM-01A [#lcef69d2]

[[Open Geiger Project>https://opengeiger.com/]]さんのGM-01Aを1台入手できましたので、ZigBee化にチャンレジしてみました。GM-01AはGM管にわりと感度が良いと定番のSMB-20を使っているオープンソースなガイガーカウンタです。今回はこれにUSBタイプのZigbee機器「78K0R UD Stick」を接続してみます。

&ref(tumblr_low2wkagT71ql56v1o1_500.jpg,nolink);  	

*ZigBeeデバイスとのIF [#r1a25b80]

ZigBee機器とどんなインターフェイスで接続するかがいつも問題になるのですが、GM-01Aはマイコン(ATMEGA328P)からUARTのTRXが出てるようなので、今回はこれが活用できそうです。

また公開されているソースコードを見ますと、検出した放射線のカウント方法としては、シンプルにGM管の入力をMCUの割り込みで拾ってました。そこでソースコードを数行だけ修正させてもらい、割り込みハンドラの中にPORTD1(TXD)をHI-LO操作するコードを追加して外部機器へのトリガーにしました。

*WinAVR [#w345a63a]

GM-01AのビルドにはWinAVRを使ってみました。いろいろ試行錯誤しましたが、分かってみると簡単で、手順は以下の通りです

+WinAVRを[[この辺り>https://sourceforge.net/projects/winavr/files/]]からダウンロードしてインストール
+スタートメニューから「Programmers Notepad」を起動
+「File」→「New」→「Project」と指定して 適当な場所にプロジェクトを作成
+最新のopengeiger_firmwareをダウンロード、展開して、「app」ディレクトリをWinAVRのワークスペースへそのままドロップ
+(これが重要)app\rev4にあるMakefileをWinAVRのワークスペースに追加する。そしてMakefileを開いて「AVRTOOLSPATH:=/usr/local/CrossPack-AVR/bin/」の指定パスを削除 して「AVRTOOLSPATH:=」に変更。
+MakefileをWinAVRのエディタで開いた状態でメニューからMake allを選択

これでビルドできるようになると思います。ビルドしたhexファイルの書き込み方はこちらの[[書き込み手順>https://code.google.com/archive/p/opengeiger/wikis/FirmwareUpdate.wiki/]]を参照してください。


*78K0R UD Stick [#x8d193c8]

「78K0R UD Stick」は、内部にIEEE802.15.4 RF ICと16bit MCUを搭載した2chip型のZigBee対応無線デバイスです。個人的にこのデバイスが大変気に入っているので、今回はこれをちょっと宣伝させてもらいます。

&ref(78k0rudstich.jpg,nolink);

一般に自作系やフィジカルコンピューティングで無線通信というとXBeeがポピュラーですね。そして XBeeとの大きな違いは、ホストが必要ないということです。XBeeはモジュールなので、一般的にはこれを無線機器として駆動する外部デバイス(ホスト)が必要ですが、78K0R UD Stickは内蔵マイコンにファームウェアを書き込んで動かしますので、1台のスタンドアロンなコンピュータと同等です。ですので、イメージとして

「XBee」 = 「78K0R UD Stick」

という図式は正確ではなく、しいていうなら

「XBee + Arduino シールド(Fioとか)」=「78K0R UD Stick」

が正しいです。そう考えると78K0R UD Stickって小さいし単三電池1本で動くしプラスチック筐体に入っているしで、中々洗練されてると思いませんか。

USBスティックタイプのZigBeeデバイスも世の中に沢山ありますが

-USB以外に、汎用、A/D等のI/Oを備えている
-内蔵ファームウェアの開発が可能
-パソコンのUSBから抜いても単体で動く

この条件を満たしている製品が実は中々ないので、大変重宝しているのです。

*動作の確認 [#w4d8a7d4]

改造したファームを書き込んでTXポートをオシロで見ると、GM-01A本体の放射線検出(ビープ音)と同時にパルスが観測できるので、改造はちゃんと動作してそうです。しばらくZigBeeデバイスにCPMをカウントさせてみましたが、GM-01A本体のCPM表示とくい違ってないことも確認できました。

ついでにAmazonで購入したキャプテンスタッグマントルM-7911を近づけてみると、すごい勢いでビープ音が鳴り出してちょっとビビりました。レベル的には700-800CPM(3uSv/h)程度ですが、この程度なら取りこぼしもなさそうです。

&ref(og_zig.jpg,nolink);

電圧は3.3Vなのでレベル変換しなくて済んでいます。

*コーディネータ [#sd284745]

78K0R UD StickはパソコンにUSB接続すると、シリアル通信(COMポート)でパソコンとデータをやり取りできます。無線で飛ばした線量情報を記録するには、78K0R UD Stickをもう1個用意してコーディネータ設定にしてパソコンにつないでおくこの方法が一番早いです。しかし「パソコン立ち上げっぱなし」というのは、あまりかっこよくありません。そこでTK-850/JH3E+UDを使ってみました。

&ref(850ud.jpg,nolink);

(写真では2台ならんでいます)

TK-850/JH3E+UDは、イーサネットを備えた32bit MCU搭載のZigBeeデバイスです。ファームウェアでZigbeeとTCP/IPをゲートウェイすることができます(この辺りはプログラムをがっつり作りこむ必要がありますが・・)

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